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chateauversailles.fr から抜粋の試訳


王室礼拝堂の再生
建築後300年、建物に不可欠な修復

ヴェルサイユ宮殿王室礼拝堂は小規模な修復のみで長い時の経過を持ちこたえてきたが、この度、建物を保存するために本格的な修復が必要になった。屋根、石造りの正面、彫刻、ステンドグラス、屋根の木材骨組み(小屋組み)全てがここにしかない調和を長く保存するために全体的な修復作業が必要になった。2017年秋、ヴェルサイユ宮殿では「鏡の間」以来の大々的な修復プロジェクトが始まった。

王室礼拝堂は1710年に完成して以来ほとんど改修されておらず、唯一、屋根の木材骨組みに著しく負荷を与えていた重量のある天窓を1765年に取り除いただけだった。ここまでの耐久性は、建築物全体の品質のみか、構造に使用された素材の選択の証でもある。例えば、10種類以上の石材を使用して礼拝堂が建築され、また、全体がオーク材で製作された屋根の木材骨組みは宮殿中でも最高級の品質だ。

それでも時の経過による劣化は免れない。排水システムの裁量性と有効性は注目に値するほどだが、鉛装飾の重さによる屋根の水漏れは、屋根の木材骨組みに損傷を与えている。悪天候にさらされる正面ファサードでは、装飾や彫刻が徐々に劣化している。この宝石のような聖なる建築物の落成から数百年が経過し、礼拝堂全体の大規模な修復が建築物の一貫性を保存するために不可欠となった。

巨大なキャンバス

宮殿の美的調和を保ち礼拝堂を悪天候から保護するために、大規模な足場を巨大なキャンバスで覆った。芸術家ピエール・ドゥラヴィが制作し、建物内部のトロンプルイユ(だまし絵)をシュールレアリズムで描いている。

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王室礼拝堂 ビフォアアフター
最初の写真は、古いスレートを剥がして見えている木組み。次の写真は、木材の上にスレートを打ち付けた後。金箔鉛彫刻で装飾された屋根。

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石膏細工の修復

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ステンドグラスの修復。@vitrailfrance工房の舞台裏。

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王室礼拝堂の屋根の木材骨組みは通常は見えないが主要な遺産だ。設計の複雑性やオーク材から切出した堅牢な構成要素の集合体は格別だ。彫刻は今でもかなり良好な状態だが、近年、雨漏りにより損傷しており早急に修復が必要になった。今回の修復工事ではオリジナルの素材を尊重し、損傷したオーク材部分を忠実に複製して使用している。協賛:フィランソロピー財団(Fondation Philanthropi)、サンゴバン社、ディオール社、ジェーシードゥコー社。

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彫刻は当時最高の芸術家が制作し、表現しているアレゴリー(寓意)やイコノグラフィ(図像学)は意識的に選定されている。ただし、その豊かな表現力や巧みな技法は、これらの作品を修復する専門家にとって難題となっている。今回の修復事業は、彫刻が風雨に晒されて腐食した結果必須となった。修復事業の中でもこの重要部分の資金調達ために、adopt-a-statue(彫像ごとに資金を募る)キャンペーンを立ち上げた。

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王室礼拝堂は前回の修復から40年が経過し、屋根の木材骨組みや装飾、彫刻や窓枠、ステンドグラスに至急修復が必要になった。礼拝堂の歴史と2018年からの修復工事のあらまし。

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修復を終えたばかりの王室礼拝堂

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