ウエストミンスター寺院にあるリチャード2世の肖像画が、絵に描かれているKing’s pewだった板に描かれていると言われているようです。

history.ac.ukから文と、意訳です。

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The Westminster Portrait
ウエストミンスターの肖像画

Wikipedia

Image: Wikipedia

The over life-size portrait which now hangs in the nave of Westminster Abbey depicts Richard as a fully mature man with a small forked beard. The anonymous portrait is painted in a linseed oil medium on panel. It probably dates from the 1390s, but was heavily restored in 1732 and again in 1866, making it hard to judge its qualities. Besides much overpainting, the background of stamped and gilded gesso  was also removed during the 1866 restoration, apart from the small area to the right of the king’s head. This is now thought to have been original. Infra-red photography has revealed the monumental qualities of the underdrawing. The throne has been much altered, but the head is probably substantially intact.

現在ウエストミンスター寺院の身廊にある実物大より大きめの肖像画は、あご髭を少しはやした成人のリチャードを描いている。作者は不明で、リンシードオイルを用いた板絵である。恐らく1390年代に制作されたものだが、1732年と1866年に大々的に修復され、素材の判別が難しくなっている。相当上塗りされてしまった上、1866年の修復で背景の刻印と金箔のあるゲッソーが取り除かれ、リチャードの頭部右側のわずかな部分が、現在では、オリジナルであると考えられている。赤外線写真ですばらしい出来映えの下絵が明らかになった。王座は後世にかなり手を加えられているが、頭部はおそらく概ねオリジナルのままである。

Portraits dating from the fourteenth century are exceptionally rare north of the Alps and this full-length image has no parallels. It may always have been in the Abbey church and may perhaps have been part of a rigid structure such as a pew. The first mention of it is in 1611, when it was in the choir. The frame decorated with Richard II’s arms and badges was designed in 1866 by Sir Gilbert Scott.

14世紀まで遡る肖像画は、アルプス以北では極めて稀で、このような全身像は他に例を見ない。ウエストミンスター寺院から出されたことはなく、おそらく信徒席 (pew) のような堅固な構造物の一部だった板に描かれたと考えられている。この肖像画が最初に文献に現れるのは1611年で、その当時は聖歌隊席に飾られていた。リチャード2世の紋章と記章が描かれた額縁は、1866年にサー・ギルバート・スコットが制作した。


Published on 24 Jun 2014 by nationalgalleryuk

ビデオの解説の前半、部分要約

「洗礼者ヨハネのシリーズの最後に、ウエストミンスター寺院を訪れている。
この寺院は、歴代の英国王室が崇拝してきた寺院で、戴冠式や埋葬の場所となってきた。
特に、14世紀の国王リチャード2世に注目したい。リチャード2世は、ことのほか洗礼者ヨハネを崇拝していた。リチャード2世は1月6日生で、この日は、キリストが洗礼者ヨハネから洗礼を受けた日とされている。ほぼ死産に近い状態で、緊急にこの日にちなんでヨハネの名で洗礼を受けた。その後命を取り留めて、リチャードに改名した。このことから、リチャード2世は洗礼者ヨハネを守護聖人と崇めるようになった。」

「この絵が描かれている板は、かつての大きい構造物の一部で、それは王の席だった可能性が高い。それが祭壇に近い場所にあったことが文献に残っている。これは大変興味深い。玉座に座った王が描かれ、描かれているものがかつて実際にその構造物の一部だった。つまり、絵の中の玉座は、同時に玉座自体の一部だった。絵の中の王は、その前に座っている実物の王だった。」