smarthistoryから、ビデオの解説を試訳しました。

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François Boucher, Venus Consoling Love, 1751, oil on canvas,
フランソワ・ブーシェ作 愛のキューピッドをなぐさめるヴィーナス、1751年、油彩画

42-1/8 x 33-3/8 inches / 107 x 84.8 cm (National Gallery of Art)

Speakers/解説: Dr. Beth Harris and Dr. Steven Zucker

私たちは今、ワシントンDCのナショナルギャラリーにいます。フランソワ・ブーシェ作の愛のキューピッドをなぐさめるヴィーナスを見ています。おそらく1751年に描かれました。まるで砂糖菓子のようです。ビーナスがカンバス中央を対角線上に占めています。バロック様式を彷彿とさせますが、ロココ時代にすでに入っています。甘美な裸のヴィーナスが左手を体の前に出し、キューピッドの矢をすべて奪おうとしています。いたずら好きなキューピッドは、人を恋に陥れます。弓矢はキューピッドが巧みに操る欲望のきらめきです。淡いグリーンやブルー、ピンクなど、ロココ様式と関連づけられている色使いになっています。意図的に思考を止めて、ファンタジーの世界や現実離れした夢のような空間を作り出しています。風景を見ると、焦点が合っていたりぶれていたり、とけ込んでいたりします。大きな木が中央やや右の背景に描かれ、遠景にも木々が描かれています。そして、その間に実際の空間はありません。現実の空間構成ではなく、自然と風景を連想させているようです。幾重にも重なった感情や愛と欲望を、遊び心と寛大さで表現しようとしているのです。この絵画は、ポンパドール夫人が依頼しました。国王の交妾で、ヴィーナスのモデルとなったという説までありますが、非常に理想化された女性だったということです。それが、おそらく真相でしょう。この絵画は、ある時期の関心事を大いに語っています。描かれたのはフランス革命前の一時期、感情や寛容さを主題とした絵画がよく描かれた時期です。

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