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Yesterday, Swan Lake was performed by the Mariinsky Ballet in Tokyo.  Below is the review of the ballet with the same leading dancers performed in the US last month.
Excerpt from Los Angels Times with Japanese translation.

昨夜、マリインスキーバレエ団による「白鳥の湖」の東京公演がありました。以下は、同じ主役が10月にアメリカで演じたときの評です。
Los Angels Timesの記事の抜粋と、試訳です。

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October 03, 2012|By Laura Bleiberg
2012年10月3日 文:ローラ・ブライバーグ
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Review: Mariinsky’s ‘Swan Lake’ sparkles (mostly)

レビュー:マリインスキーの「白鳥の湖」、きらめく(おおむね)

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“Swan Lake,” in the hands of the Mariinsky Ballet, is an experience of classicism that few can duplicate 117 years after the ballet’s premiere.
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マリインスキーバレエ団の「白鳥の湖」は、初演から117年を経た今でも、他の追随を許さないほど真の古典にひたれる。
Vladimir Schklyarov is Prince Siegfried and Oxana Skorik is Odette, Queen of Swans, at right, as they perform with dancers in "Swan Lake."

Image: Los Angels Times
Vladimir Schklyarov is Prince Siegfried and Oxana Skorik is Odette, Queen… (Allen J. Schaben, Los Angeles…)

The St. Petersburg dancers and orchestra returned Tuesday with their three-hour-plus, Petipa-Ivanov classic to the Segerstrom Center for the Arts (continuing through Sunday). In rougher quarters, “Swan Lake” dives into war horse territory. To contemporary choreographers, such as Matthew Bourne and Mats Ek, its anachronistic story of love between a prince and an enchanted swan-woman has been fertile and successful ground for outrageous revisionism

ザンクト・ペテルスブルグのダンサーとオーケストラは、火曜日、3時間を超すプティパ-イワノフのクラシックバレエの公演で、Segerstrom Center for the Artsに戻ってきた。「白鳥の湖」は、少し荒めの一派の間では、ありふれた演目という領域に入っている。マシュー・ボーンやマッツ・エックなど現代振付家にとっては、王子と魔法で白鳥の姿に変えられた娘との恋は時代錯誤の物語で、それをもとに創造力に富む斬新な改訂版を発表して成功を収めている。

At the Mariinsky, however, the ballet’s soul is pure and worth preserving — although one can bemoan the cuts to the narrative mime and to the happy ending that revered dancer and choreographer Konstantin Sergeyev made in 1950. Even so, the Mariinsky “Swan Lake” is unique for its moody atmosphere and coherent style. Shunned qualities, such as delicacy, decorum and poetry, rise to the top, and virtuosity serves them, not the other way around.

ところが、マリインスキーの場合、バレエの魂は清純でオリジナルのまま維持するのがふさわしい。ただ、尊敬を集めたダンサーで振付家のコンスタンティン・セルゲイエフが1950年に振りつけたマイムによる説明やハッピー・エンドの省略に、不満を持つ向きもあるが。それでも、マリインスキーの「白鳥の湖」は、物悲しい雰囲気と整然としたスタイルが格別だ。優美さ、統一感、詩情のような他を寄せ付けない質の高さが上に立ち、高度な技能がそれを支え、その反対ではない。

This is the company’s seventh engagement at the Segerstrom Center since 1989, and with interim artistic director Yury Fateev at the helm, the company is at a crossroads. A new generation of soloists and young principals is moving into the spotlight, with some rough edges showing. Among these soloists is Oxana Skorik, a lithe and imaginative 23-year-old who was thrust into the opening night double role of swan queen Odette and her alter ego, Odile, when several more-senior ballerinas became pregnant and withdrew from the tour.

Segerstrom Centerでの公演は、1989年以来今回で7度目になる。臨時芸術監督Yury Fateevの指揮下、バレエ団は岐路に立っている。新世代のソリストや若いプリンシパルが脚光を浴びつつあり、少し粗さも見え隠れする。そんなソリストであるオクサナ・スコーリクは、しなやかで想像力豊かな23歳のバレリーナで、先輩ダンサーが次々と妊娠で公演ツアーから抜ける中、白鳥の王女オデットとその分身であるオディールのダブルキャストで、初日を勤めることになった。

Skorik immediately announced her own interpretation. She has a naturally pliant torso, supple arms and exceptionally pointed feet, and she used her elegant carriage with fresh spirit. She danced with unmannered lyricism and illuminated Tchaikovsky’s score with ravishing, languid phrasing. She played the evil temptress Odile without jarring sauciness. She painted a rhythmic portrait through staccato gestures.

スコーリクは直ちに自分の解釈を披露した。しなやかな体つき、柔軟な腕、とてもまっすぐな足をもち、新鮮な精神と優美な身のこなしで踊った。さりげない叙情性で、美しく物憂いフレーズのチャイコフスキーの音楽を輝かせた。悪魔の妖婦オディールを不快な高慢さを出すことなく踊り、歯切れのよいしぐさでリズミカルな人物像に仕上げた。

It’s clear why Skorik is being groomed for greater heights, but whether she has the strength and confidence to pull herself to the pinnacle is another matter. She drifted precipitously during the signature fouettée (whipped) turns and had to start again. Mistakes happen, but, as the British say, keep calm and carry on. Skorik, on the hand, was rattled and concluded the ballet in a bleaker humor.

スコーリクに高みへ向けて経験を積ませている理由は明らかだが、本人に自分を頂点まで引き上げるための力量と自信があるかどうかは別問題だ。有名なフェッテターンの最中、あっという間に流されて、やり直さなければならなかった。ミスは起きるものだ。だが、英国の古いことばのように、落ち着いてそのまま続けて。スコーリクの場合は、すこし慌てて厳しい気持ちで踊りを終わらせた。

Her prince was the fresh-faced and boyish Vladimir Schklyarov, a more experienced principal with infectious charm. He shot skyward with grand jetés that just hung there and explosive beats, doling these out for maximum effect. For the first half, he was the melancholy Price with a black cloud dogging him. His astonishment at finding 32 perfectly synchronized swan-women affected us too. And stumbling upon Odette, his true love, became a believable miracle.

相手役の王子は、清楚感のある少年のようなウラジミール・シクリャーロフで、スコーリクより経験豊かな誰もが魅力を見出すプリンシパルだ。グランジュってを高く飛び、宙に留まって素早く足を打ち、最大の効果を出した。前半は、暗雲漂う憂鬱な王子だった。完璧に統一のとれた32羽の白鳥を見つけて王子が驚いたとき、観客にも感動が走った。そして、心から愛することになるオデットとの出会いは、信じられる奇跡になった。

With that level of commitment, the two leads made a powerful and spontaneous connection. They were not perfectly matched physically, however, and a few partnering difficulties eventually cropped up. Not mortal blows, but breaks in the magic.

そこまでの迫真の演技で、2人の主役は力強くのびのびとした間柄を演じた。だが、2人は外見上は完全に調和しているわけではなく、ペアを組む上での問題がなくはなかった。ただ、致命的なものではなく、観客が2人の魅力的な演技の魔法から覚めることはなかった。

PHOTOS: SWAN LAKE 写真

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Nov. 17, 2012  Tokyo

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ジャパン・アーツのブログから

オクサーナ・スコーリク インタビュー
2012年 10月 11日

Image: japanarts.co.jp/
オクサーナ・スコーリク

「白夜祭期間中、リハーサルに次ぐリハーサルを行っていたオクサーナ・スコーリク。ビデオテープを先生と研究するレッスン、先生とマンツーマンのもの、パー トナーと一緒のリハーサル…本当に次から次へ、いろいろな種類の練習が組まれていて、劇場の彼女への期待の大きさを感じました。
その期待に応えて、彼女も白夜祭の期間に多くの役でデビューを果たし、9月28日ファースト・ソリストに昇格しました。
現地でご覧になった方からも「スレンダーで美しいダンサー」だったというコメントも届きましたが、そんな彼女のインタビューをお送りします。

Q:日本ではNHKで放映されたペルミバレエ学校時のドキュメンタリーが有名ですが、その後ペルミを出てマリインスキーに入団された時の気持ちは?
A:怖かったです。

Q:どうして?
A:長い歴史のある劇場ですし、とても責任が重いですから。それから伝統もあるし、劇場のブランドを守らなければいけません。

Q:マリインスキー・バレエに入りたいという目標はありましたか?
A:もちろんです。

Q:マリインスキー・バレエで踊ることが実現しそうだと感じたのはいつですか?
A:最後の最後まで、ペテルブルグに行けるとは思っていませんでした。

Q:どうやって進路が決まったのですか?
A:ペルミのバレエ学校では、先生たちが構成する委員会があって、一人ずつ呼ばれ進路を提案されます。私は他のロシアのバレエ団にソリストで入るか、マリインスキー劇場かという二つの提案を受け、マリインスキーに決めました。

Q:小さい頃はどのような女の子だったのでしょう?踊ることや表現することは好きだったのですか?
A:はい、好きでした。

Q:ご両親もバレエに関係するお仕事だったのでしょうか?
A:まったく違う分野の仕事をしています。両親とも技術系です。ハリコフの航空専門学校を卒業しているので、全然ちがうんです(笑)

Q:では、ご家族で初めてのダンサーですか?
A:そうです。

Q:どうしてバレエを始めたのですか?自分からやりたいと言ったのですか?
A:幼稚園の頃から活発で、踊ったり運動したりするのが好きでした。そこで母が私のその活発さをバレエに向かわせようとしたんです。

Q:日本で「白鳥の湖」を踊っていただきますが、小さい頃からこの作品をどんなふうにイメージしていましたか?
A:子供の頃から両親と劇場には通っていましたが、「白鳥の湖」は「ジゼル」ほど興味はなかったんです。でも実際「白鳥の湖」を練習し始めたら、完全にのめり込みました。そのリハーサルのプロセスで登場人物のイメージに興味を持つようになりました。

Q:具体的にこのバレリーナのここがいいとか、そういうのはなかったですか?
A:今も昔も、オデット=オディールを独自の解釈で踊ってきた素晴らしいバレリーナがたくさんいます。彼女たちの経験にも学び、新しいものも取り入れて、自分なりの解釈も加えてオデット=オディールを作りあげたいと思います。

Q:あなたに一番影響を与えたバレリーナは?
A:ウリヤーナ・ロパートキナさんです。

Q:綿々と続くバレリーナの伝統の中でも、スコーリクさんらしさというのはどういうところだと思いますか?
A:オデットは自分にプライドがあって、そして哀しい女性。私にとってはオディールのイメージのほうが難しいです。

Q:オデットの方は簡単?
A:簡単というのではなくて…オデットは優しいのですが、同時にプライドも高い。そうですね、オデットのほうがイメージしやすいですね。

Q:技術的なことだけではなくて、表現するという意味においてオディールのほうが難しいということ?
A:そうですね。オディールはあの場所にロットバルトに連れてこられたんですよね。王子がオデットだと信じるように抒情的に踊りながらも、同時に彼女はロットバルトとも通じている。この彼女のずるい本性、悪意も表さないといけません。

Q:悪魔性もあるけれど魅力的な部分がないと、ジークフリートは魅了されないわけですからね。
A:そうですね。悪意のある女性がやさしい女性のふりをしているんです。

Q:踊っているうちにそういうイメージができてくるんですか?それとも舞台に出る前に役作りをするのですか?
A:レッスン場で納得がいくまでイメージを練りあげていきます。それは自分自身でやらなければいけない仕事。それなしに舞台に出ることはできません。

Q:マリインスキーでは、たくさんのパートナーと踊っていますが、今後どんなパートナーと踊りたいですか?
A:正直、一度も考えたことはないです。いまは決めていただくパートナーと踊ることで十分楽しいです。誰と踊りたいとか言うのは不公平な気がして。どのダンサーもそれぞれに素晴らしいですから。

Q:ありがとうございました。

ジャパン・アーツのブログから

15歳のスコーリクが出演しているドキュメンタリー番組について

「マリインスキー・バレエに入団する前から、彼女に注目してくださっていた方も多いと思います。NHKが2008年に放映したドキュメンタリー番組「犠牲の先に夢がある~ロシア国立ペルミバレエ学校~」で涙を浮かべながらも、前に進み続けたスコーリク。」
http://www.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/081020.html

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Image: ジャパンアーツ
Skorik with Dance Magazine
ダンスマガジンの表紙はスコーリクの白鳥のオデット姫。 嬉しそうにジッと見つめるスコーリク。