Tags

, , ,

This is about The Mystical Nativity by Botticelli.  Original English text from Totally History with Japanese translation.

ボッティチェッリ作「神秘の降誕」の解説です。Totally Historyから英語の原文と、訳です。

***

The Mystical Nativity

神秘の降誕

File:The Mystical Nativity.jpg

Image: Wikipedia

Image: Wikipedia

A master of Italian Renaissance art, Alessandro di Mariano di Vanni Fillipepi, better known as Sandro Botticelli created the The Mystical Nativity in 1500-1501. Botticelli apprenticed as a goldsmith at the age of fourteen, for his brother Antonio initially. In 1462, he became an apprentice to Fra Filippo Lippi, an Italian painter, where he learned painting techniques in a more intimate and detailed manner. By 1470, Sandro had his own art workshop. His works are mostly characterized by clear contours of figures, and few strong contrasts of light and shadow. The Mystical Nativity is his only work in which he signed.

イタリアルネッサンスの巨匠、アレッサンドロ・ディ・マリアーノ・ディ・ヴァニ・フィリペーピ、通称サンドロ・ボッティチェッリは、1501年から1502年に「神秘の降誕」を制作した。ボッティチェッリは14歳の時に、兄アントニオの金細工の工房で見習いとして働いた。1462年、イタリア画家フラ・フィリッポ・リッピに弟子入りし、そこで、より深く細密な絵画の技法を身につけ、1470年までには、自分の工房を持つようになっていた。ボッティチェッリの作品の特徴は、人物像の明瞭な輪郭線と、光と陰の強いコントラストがあまり見られないところにある。「神秘の降誕」は、ボッティチェッリが署名した唯一の作品である。

Creative Influences

画風への影響

Image: Wikipedia

Girolamo Savonarola was a rebellious Italian Dominican friar and preacher, who wanted to reform religion in Florence. After the Medici’s had been overthrown in Florence, Savonarola took control in 1494. He professed that everything associated with moral weakness, including the finest Florentine Renaissance artwork, should be burned. Botticelli was not only subjected to Savonarola’s preachings, but was also intrigued. Pope Alexander VI excommunicated Savonarola in 1497, and he was hung and burned. Although it is not known if Botticelli was a follower of Savonarola’s, it is thought that Savonarola had a great influence on his Mystical Nativity composition.

ジロラモ・サヴォナローラは、反体制的なイタリア・ドミニコ会修道士であり説教師で、フィレンツェの宗教改革を望んでいた。フィレンツェでメディチ家の権威が失墜すると、1494年にサヴォナローラが実権を握った。サヴォナローラは、フィレンツェ・ルネサンスの偉大な芸術作品を含め、道徳的脆弱性に関連するものはすべて焼却すべきだと説いた。ボッティチェッリは、サヴォナローラの説教に従っただけでなく加担することまでした。法王アレクサンデル6世は、1497年にサヴォナローラを破門し、絞首刑につづき火刑にした。ボッティチェッリがサヴォナローラの追随者であったかどうかは定かでないが、「神秘の降誕」の構図に、サヴォナローラが少なからず影響を及ぼしていると考えられている。

Mysterious Symbolism

神秘的な象徴的意義

Botticelli began painting the Mystical Nativity just a few days after Savonarola’s famous Lenten sermon. Savonarola’s message was to repent, distance yourself from demons and let the angels take you to the Savior. This became the basic theme of Mystical Nativity. The inscription at the top of the painting indicates that Botticelli believed himself to be living in the final period before the second coming of Christ. This could be from the enormous upheavals in Europe’s religious and political realms, as well as Savonarola’s messages.

ボッティチェッリは、サヴォナローラの有名な四旬節の説教のわずか数日後に、「神秘の降誕」を描き始めた。サヴォナローラの教えは、悔い改め、悪魔から遠ざかり、天使に導かれて救い主のもとへ行くようにというものだった。これが、「神秘の降誕」の基本的な主題となった。画面上端の銘文には、ボッティチェッリがキリスト再来の前の最終段階に生きていると信じ込んでいたことが読み取れる。

Mystical Nativity in a general view is one of the nativity scene, with Mary, Joseph, baby Jesus, angels, and animals. If you look closely, to detail, symbolic and unusual iconography or interpretation of composition images can be made. Each of the symbolic interpretations relate back to the context of Savonarola’s sermons.

「神秘の降誕」は、一見すると、聖母マリア、ヨゼフ、幼子イエス、天使、動物が登場するキリスト降誕の場面だが、詳細に見ると、構図の描写に象徴的で独特の図像学や解釈が施されている。そのような象徴的な解釈は、それぞれサヴォナローラの説教の文脈に関連付けることができる。

The circle of twelve angels at the top of the painting represent the twelve hours in a day, and the twelve months of the year. The angels represent faith, hope, and charity, dressed in the corresponding white, red, and green robes. The angels are pulling people out of a state of religious limbo, saving them from the demons. The words on the angels ribbons, which cannot be seen except with infrared refletography, shows that the words correspond to the twelve privileges of the Virgin.

画像上部の円を描く12人の天使は、1日の12時間と1年の12ヶ月を表す。信仰、希望、慈悲を具現化した天使は、それぞれを象徴する、白、赤、緑の衣装をまとっている。天使は宗教上の辺獄の状態から人々を引き上げ、悪魔から救い出している。天使のリボンに記載された言葉は、赤外反射画像でしか見ることができないが、(サヴォナローラが唱えた)聖母の12の特権と対応している。

At the bottom of the painting, seven demons are trying to escape under flagstone, fleeing to the underworld. Some are impaled on their own weapons. These demonic creatures are located at the bottom, where angels are embracing the gentiles, saving them from their own demons, causing the demons to flee. The largest figures are of Mary and Joseph, emphasizing good over evil.

画像最下部に描かれた7匹の悪魔は、敷石の下へ抜け地下の世界へ逃げようとしている。中には自分の武器で身動きが取れなくなっている悪魔もいる。このような悪魔的生き物は最下部に位置し、そこでは天使がキリスト教徒を抱擁して、そろぞれの悪魔から救い出すところで、その結果、悪魔は逃げ出そうとしている。最も大きな人物像は、聖母マリアとヨセフで、善が悪を凌駕することを強調している。

Additional Interesting Facts

その他の興味深い事実

Botticelli used oil paints on canvas, instead of wood for this painting. To create the heavenly dome in which the twelve angels are circling, he used the goldsmith’s craft which he learned as a boy, using gold flecked paint. He used gold to create an untarnished heaven, knowing that gold does not darken or decay over time like silver does. Botticelli used canvas, as opposed to wood for this painting, because canvas could be rolled and hidden. The Mystical Nativity was hidden for over three centuries after Botticelli’s death in 1510, and was brought to public attention by a British art collector who purchased the painting.

Image: from National Gallery

ボッティチェッリは、この絵画を描く際に、板絵ではなく布地に油彩画を施した。12人の天使が舞う天上のドームを描くのに、子どもの時に習得した金細工の技法を用い、金をちりばめた絵の具を使った。金は銀とは違い、時間を経ても黒ずんだり劣化することはないことを知っていて、金を用いて曇ることのない天上の世界を描いた。ボッティチェッリが板ではなく布地を採用したのは、布は丸めたり隠すことができるからだった。「神秘の降誕」は、1515年のボッティチェッリの死後、3世紀に渡り公の目から姿を消し、英国の絵画収集家がこの絵を購入して、再び姿を現した。

***

From Web Gallery of Art

The puzzling Greek inscription at the top of the picture has been translated:

‘I Sandro made this picture at the conclusion of the year 1500 in the troubles of Italy in the half time after the time according to the 11th chapter of Saint John in the second woe of the Apocalypse during the loosing of the devil for three and a half years then he will be chained in the 12th chapter and we shall see […] as in this picture.’

The missing words may have been ‘him burying himself’. The ‘half time after the time’ has been generally understood as a year and a half earlier, that is, in 1498, when the French invaded Italy, but it may mean a half millennium (500 years) after a millennium (1000 years): 1500, the date of the painting. Like the end of the millennium in the year 1000, the end of the half millennium in 1500 also seemed to many people to herald the Second Coming of Christ, prophesied in Revelation.

画像上部にある謎めいたギリシア語銘文は、以下のように英語に訳されている。

「私サンドロは、ヨハネの黙示録*第11章の予言にあるように、ひとつの時代とその半分の時代の後のイタリア受難の時代、悪魔が3年半野放しになるという、黙示録第2の災いの最中、1500年の終末に、この絵を制作した。そして、第12章にあるように、悪魔は鎖につながれ、地に落とされ、この絵にあるように、・・・・を見ることになるであろう。」

この失われた部分は、”him buying himself”であろうと推測されている。「ひとつの時代とその半分の時代」は、1年とその前の半年、つまり、フランスがイタリアに侵攻した1498年と一般に解釈されている。もしくは、ミレニアム(1000年)の後のミレニアムの半分(500年)つまり1500年で、この絵画が制作された年とも解釈できる。西暦1000年のミレニアム*の末期のように、西暦1500年のミレニアムの半分の末期は、多くの人にとって、ヨハネの黙示録で予言されたキリストの再来を告げるものに感じられた。

***

*ミレニアム:ミレニアムはもともと、終末時にキリストが再来して第一の裁きを行い、それからキリストが第二の裁きを行った後に神に主権を返すまでの間、キリストが千年間(ミレニアム)の平和の王国を統治する、というヨハネの黙示録第20章に述べられた思想に基づいている。ヨハネ黙示録に預言されたキリスト復活から1,000年間は、悪魔は鎖につながれ、選ばれし死者は復活する。

*ヨハネの黙示録:『新約聖書』の最後に配置された書であり、『新約聖書』の中で唯一予言書的性格を持つ書である。

**ヨハネの黙示録第11章1節から14節

  1. それから、わたしはつえのような測りざおを与えられて、こう命じられた、「さあ立って、神の聖所と祭壇と、そこで礼拝している人々とを、測りなさい。
  2. 聖所の外の庭はそのままにしておきなさい。それを測ってはならない。そこは異邦人に与えられた所だから。彼らは、四十二か月の間この聖なる都を踏みにじるであろう。
  3. そしてわたしは、わたしのふたりの証人に、荒布を着て、千二百六十日のあいだ預言することを許そう」。
  4. 彼らは、全地の主のみまえに立っている二本のオリブの木、また、二つの燭台(しょくだい)である。
  5. もし彼らに害を加えようとする者があれば、彼らの口から火が出て、その敵を滅ぼすであろう。もし彼らに害を加えようとする者があれば、その者はこのように殺されねばならない。
  6. 預言をしている期間、彼らは、天を閉じて雨を降らせないようにする力を持っている。さらにまた、水を血に換え、何度でも思うままに、あらゆる災害で地を打つ力を持っている。
  7. そして、彼らがそのあかしを終えると、底知れぬ所からのぼって来る獣が、彼らと戦って打ち勝ち、彼らを殺す。
  8. 彼らの死体はソドムや、エジプトにたとえられている大いなる都の大通りにさらされる。彼らの主も、この都で十字架につけられたのである。
  9. いろいろな民族、部族、国語、国民に属する人々が、三日半の間、彼らの死体をながめるが、その死体を墓に納めることは許さない。
  10. 地に住む人々は、彼らのことで喜び楽しみ、互に贈り物をしあう。このふたりの預言者は、地に住む者たちを悩ましたからである。
  11. 三日半の後、いのちの息が、神から出て彼らの中にはいり、そして、彼らが立ち上がったので、それを見た人々は非常な恐怖に襲われた。
  12. その時、天から大きな声がして、「ここに上ってきなさい」と言うのを、彼らは聞いた。そして、彼らは雲に乗って天に上った。彼らの敵はそれを見た。
  13. この時、大地震が起って、都の十分の一は倒れ、その地震で七千人が死に、生き残った人々は驚き恐れて、天の神に栄光を帰した。
  14. 第二のわざわいは、過ぎ去った。見よ、第三のわざわいがすぐに来る。

**ヨハネの黙示録第12章1節から10節

  1. また、大いなるしるしが天に現れた。ひとりの女が太陽を着て、足の下に月を踏み、その頭に十二の星の冠をかぶっていた。
  2. この女は子を宿しており、産みの苦しみと悩みとのために、泣き叫んでいた。
  3. また、もう一つのしるしが天に現れた。見よ、大きな、赤い龍(りゅう)がいた。それに七つの頭と十の角とがあり、その頭に七つの冠をかぶっていた。
  4. その尾は天の星の三分の一を掃き寄せ、それらを地に投げ落した。龍は子を産もうとしている女の前に立ち、生れたなら、その子を食い尽そうとかまえていた。
  5. 女は男の子を産んだが、彼は鉄のつえをもってすべての国民を治めるべき者である。この子は、神のみもとに、その御座(みざ)のところに、引き上げられた。
  6. 女は荒野へ逃げて行った。そこには、彼女が千二百六十日のあいだ養われるように、神の用意された場所があった。
  7. さて、天では戦いが起った。ミカエルとその御使(みつかい)たちとが、龍と戦ったのである。龍もその使たちも応戦したが、
  8. 勝てなかった。そして、もはや天には彼らのおる所がなくなった。
  9. この巨大な龍、すなわち、悪魔とか、サタンとか呼ばれ、全世界を惑わす年を経たへびは、地に投げ落され、その使たちも、もろともに投げ落された。
  10. その時わたしは、大きな声が天でこう言うのを聞いた、
    「今や、われらの神の救と力と国と、
    神のキリストの権威とは、現れた。
    われらの兄弟らを訴える者、
    夜昼われらの神のみまえで彼らを訴える者は、
    投げ落された。